旧社会保険庁の杜撰な管理体制が公になり、2007年に発覚したいわゆる「年金記録問題」。当時、本来の持ち主が不明となった年金記録は約5095万件 に上り、それから8年間が経過した2015年3月末の時点でも、実に約2032万件もの持ち主が解明されていない状況です。

国が紙によ るアナログの台帳とコンピュータによるデジタルの記録を照合する確認作業は2014年の3月末でほぼ終了しましたが、今も半数弱にあたる膨大な年金記録が 持ち主不明のまま・・・。

さらに困ったことに、持ち主が確認されたとしても、実際に支給されるまで長い時間がかかるため、年金を受け取る前に高齢者がお亡くなり になる事例も出てきているとのことです。

問題が発覚した当初、確認が取れた方への年金が支給されるまでは平均して約10ヵ月。さすがに 「遅すぎる」との批判が相次ぎ、日本年金機構では作業体制を見直すなどして、平均4ヵ月ほどまで短縮していましたが、最近では再び約10ヵ月近くまでかか ることも珍しくなくなっているそう。

記録の確認や作業に従事する担当者の人数が減っているわけではないとのことですが、手作業で確認しなければならない作 業がメインとなったため、どうしても時間がかかってしまうと日本年金機構では説明しています。

年金記録の訂正を請求したにも関わらず、年 金が未支給のままの方は、今年の6月末の時点で約9万件に上っており、支給の遅れは大きな問題となっています。

平均寿命が伸びているとはいえ、対象の方が お亡くなりになるケースが出てきているわけですから、一刻も早く未支給のお年寄りの方には受け取る権利がある年金をしっかり届けてほしいものです。

 

小笠原

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